こんにちは、かとう七宝治療院
院長の加藤です。

当ブログ記事では皆様に笑顔でイキイキと暮らしていただくために、
健康の大切さに気付いてもらい、元気で幸せな未来を歩むための
お手伝いをさせていただいております。

肩の痛み 検査 病気

前回のブログ(→肩の痛みと検査が必要な病気)腱板損傷
石灰沈着性腱炎についてご紹介いたしました。
今回は前回紹介しきれなかった疾患をご紹介したいと思います。

 

肩峰下滑液包炎・インピジメント症候群

肩峰下滑液包炎は肩関節の周囲にある滑液包が、繰り返し起こる
圧迫や摩擦によって損傷し、炎症が起きてしまう疾患です。
インピジメント症候群はこの滑液包が関節に挟さみ込まれてしまい
滑液包内で出血や浮腫が起きてしまいます。

滑液包とは?

肩の痛み 検査 病気

上の画像では青くなっているところで、滑液という関節の動きを
滑らかにするための潤滑油を包んでいる袋です。

写真からわかるように骨と骨の隙間にあるので、圧迫されやすく
障害が起きやすい箇所でもあります。
ちょうど腕を横から上げた時に上腕骨と肩甲骨に挟まれるのが
想像できると思います。

主な症状

・手を上げる時の痛み
・痛みの増悪と緩和を繰り返す
・夜間痛を感じる場合もある
・ある角度で肩に引っかかりを感じる
・肩のこわばりや筋力低下

特徴

肩峰下滑液包炎は単体で発症することもありますが、腱板損傷と
併発して発症する場合もあります。
インピジメント症候群は逆に悪化することで腱板損傷となったり
肩峰下に骨棘ができることもあります。

野球の経験がある方はご存知かと思いますが、野球肩と呼ばれる
疾患があります。
野球肩とは球を投げる時に肩に痛みを感じる症状なのですが、この
野球肩の原因の多くがインピジメント症候群です。

肩峰下滑液包炎・インピジメント症候群の見分け方

どちらもエコー検査で滑液包の腫れや腱板の損傷を調べます。
インピジメント症候群は腕の動きによる引っかかりである程度
見分けがつきますが、肩峰下滑液包炎は検査してみないと腱板損傷
との見分けがつきません。

 

インピジメント症候群の予防は腱板を鍛えるインナーマッスル
トレーニングが有効です。

上腕二頭筋長頭腱炎・断裂

上腕二頭筋は力こぶを作る筋肉です。
上腕二頭筋は長頭と短頭に分かれており、長頭の方に炎症が起きた
のが上腕二頭筋長頭腱炎です。
長頭は上腕骨につくので、肩の前側に痛みを感じます。

肩の痛み 検査 病気

写真の真ん中にあるのが長頭で、内側に走っている太い方が
短頭となります。
炎症が続くと腱が劣化して断裂に至ることが多いですが、一度の
外傷で断裂することもあります。

主な症状

・肘を伸ばした状態でものを持ち上げると痛い
・後ろの手を回すと痛い
・投球時に痛い
・じっとしていても肩の前側が疼くように痛い

上腕二頭筋腱炎・断裂の見分け方

詳しく知らべる場合はエコー検査が有効です。
セルフチェックの方法は下のテスト法があります。

・ヤーガソンテスト
壁の横に立ち、肘を90度に曲げて掌を上に向けます。
手を外側に開いていくと壁に手が当たります。
その状態で強めに壁を押した時に肩の前側に痛みが生じた場合
上腕二頭筋長頭腱炎の疑いがあります。

肘を曲げた時に力こぶが肘のすぐ近くにある場合、長頭腱が
断裂している疑いがあります。

上腕二頭筋腱炎はアイシングなどで炎症を取りましょう。
同じような腕の使い方をしていると、癖のように炎症を繰り返して
腱の劣化が早まるので、治療でしっかり治すことも需要です。

*最後に

肩峰下滑液包炎や上腕二頭筋腱炎を放っておくと、炎症がくすぶった
状態が続き、少しづつ筋細胞の劣化が進んでいってしまうことで
数年後~十数年後に五十肩になる可能性があります。
よくある痛み止めで誤魔化さず、最低でもアイシングや冷シップで
炎症を取るように気をつけてください。

 


 

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