五十肩のストレッチ は腕の痛みが治まった慢性期から積極的に行うことで可動域を改善させます。
この時大事なのは力押しでやらないことです。
硬い人ほど力や勢いで無理矢理伸ばそうとしがちですが、本来ストレッチは脱力して行うことで効果が現れます。
伸ばされて気持ちいいぐらいで行ってください。
前回のお話で肩を支えている三角筋と腕を前から上げる大胸筋のケアについてご紹介しました。
(五十肩で腕が上がらない時のセルフケア)
今回は腕がダルい場合などのケア方法をご紹介いたします。
五十肩のストレッチ
・棘下筋のストレッチ
用意するもの:水入り500mlのペットボトル
1.フロアで仰向けに寝ます。ストレッチしたい方の手にペットボトルを持ち、真横に手を開いた状態で肘を曲げます。
2.ペットボトルの重みを利用し、徐々に手を床に倒していきます。
このとき、肩が床からなるべく浮かないこと、肘の位置が下に下がらないことに気をつけます。
3.3~5回繰り返します。
・大胸筋のストレッチ
大胸筋のストレッチは、大胸筋をほぐすマッサージと一緒に行うと効果的になります。
大胸筋が緩むと、前から手を上げるのが楽になります。
初めは、痛みがあってしんどいかもしれませんが、繰り返すことで
筋肉がほぐれて腕の可動域が拡がっていきます。
1.肘を伸ばし90度の角度で壁に手をつきます。
2.身体を捻ります
3.胸の前や肩のつけ根が伸びたところでキープします。
4.このとき、息を止めないように気をつけてください。
5.20~30秒キープしたのち元に戻します。
6.徐々に角度を高くして伸ばしてください。
7.このストレッチを3~5セット行って下さい。
腕がダルくなる上腕三頭筋
上腕三頭筋は、肘を伸ばすときに使う筋肉になります。
主に、肘を伸ばす際に使う筋肉ですが、腕を釣り上げておく筋肉でもあります。
五十肩が原因で、上腕三頭筋を使わなくなり、腕の重みを支えることができなくなって、腕の痛みになることがあります。
上腕三頭筋
三頭筋は肘から肩甲骨のほうまでついている筋肉になります。
肘を伸ばす動作に関係し、日常生活では物を投げる動きや頭上に押し上げる動作に関与します。
・上腕三頭筋のほぐし方
1.片方の手で上腕三頭筋をつまみます。
2.つまんだ状態をキープしながら、肘を曲げたり伸ばしたりします。
3.10回3セット行います。
4.肘の関節が伸び切る、曲げきるように曲げ伸ばしします。
5.肘から脇の下くらいの脇の下くらいの範囲を繰り返しほぐすようにしてください。
6.皮膚が薄い部分なので、痣にならないように気をつけてください。
使い過ぎて痛みが出る上腕二頭筋
上腕二頭筋は、直接炎症を起こすことはあまりないですが、棘下筋三角筋、大胸筋などの筋肉が炎症したり疲労することで、
上腕二頭筋にも負担がかかり痛みや炎症を起こすことがあります。
上腕二頭筋もケアできると肩の痛みも早く改善が望めるので、しっかりケアを行いましょう。
上腕二頭筋
上腕二頭筋は肩のつけ根から肘の方までついている筋肉です。
主に肘をまげる、物を持つなどに作用する筋肉で、肘を曲げた時にできる「力こぶ」を作る筋肉でもあります。
・上腕二頭筋のほぐし方
1.親指で上腕二頭筋を押さえます。
2.適度に親指で押さえながら、肘を曲げたり伸ばしたりします。
3.2~3回、同じポイント肘の曲げ伸ばしを行ってください。
4.3が終わったら、ポイントを変えて3~5セット行います。
痛みを放置し続けると、上腕二頭筋断裂になってしまいます。
そうなれば手術するしか方法がありません。
ただし、高齢者の場合は手術の負担を考えて、周りの筋肉によるサポートで、ある程度動かせるようになるまで保存療法を行います。
*最後に
五十肩で最も重要な3つの筋肉が、棘下筋・大胸筋・三角筋です。
主にこの3つがおかしくなり、痛みや可動域を制限する原因になっております。
また、五十肩の重症度によってはセルフケアだけでは改善しないこともご理解いただけると思います。
寒くなったこの季節、五十肩にとってもつらい季節になりますので、我慢せずに一度ご相談ください。
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